技術コラム
架台とは?
「架台(かだい)」とは、機械、装置、設備、構造物などを安全かつ安定して設置・支持するために作られた「台座」や「骨組み(フレーム)」の総称です。
英文では「Mount」「Stand」「Frame」「Base」などと表記され、用途に応じて形状や構造、用いられる材質は多岐にわたります。
架台の最も根本的な役割は、「設置対象を強固に支え、所定の位置に固定すること」です。単に物を載せるだけの棚や台とは異なり、上に載せる機器の重量だけでなく、稼働時に発生する振動、衝撃、熱変化、さらには設置環境による外力(風圧や地震など)に耐えられるよう設計されている点が大きな特徴です。
架台の種類(機械・装置架台)に関する記事は下記よりご確認いただけます。
大型装置架台の製作・加工プロセス
「大型装置架台」は、単に金属を繋ぎ合わせるだけでは作れません。
ここでは、大型装置架台の製造工程をご紹介いたします。
➊材料調達・溶断(切断)
鋼板(Fe、SUS、アルミ展伸材など)や形鋼(角パイプ・H鋼等)を調達し、プラズマやレーザー、バンドソーで精密カットします 。
➋製缶・溶接(TIG・半自動溶接)
熟練の溶接技術者が、開先加工や逆歪みなどのノウハウを駆使して強固に接合します。
➌前処理(応力除去焼鈍・ブラスト)
溶接時に発生した残留応力を大型炉で除去(焼鈍)し、加工後や経年による歪みの発生を未然に防ぎます 。
➍精密機械加工(五面加工・横中ぐり切削)
大型工作機械を用いて、部品取付面や穴位置をミクロン単位で削り出します 。
➎表面処理(塗装・メッキ・研磨)
防錆塗料の下塗りや指定色の仕上げ塗装、電解研磨などを施します 。
➏精密検査・品質保証
三次元測定機やレーザー測長器等を用い、要求精度を満たしていることを確認・証明します 。
大型装置架台の製缶加工を成功させる4つのポイント
大型架台の製作における重要なポイントは以下の4点です。
ポイント①:溶接歪みの発生抑制
大型製缶において最大の課題は、溶接熱による「歪み」との戦いです。厚板を多層盛溶接すれば、金属の収縮により架台全体が反り、ねじれが発生します。これを最小限に抑えるため、製作現場では「治具による固定」や、溶接順序を緻密に計算するなどのテクニックが駆使されます。
また、大型架台は内部に多数のリブ(補強板)を配置しますが、これも単に強度を高めるだけでなく、加工時の振動(びびり)を抑える役割も果たします。製缶段階で適切な剛性が確保されていないと、後の機械加工工程で刃物が当たった際に共振してしまい、美しい仕上げ面を得ることができません。このように、製缶は単なる箱作りではなく、次工程である機械加工を見越した「仕込み」の工程といえます。
ポイント②:大型マシニングによる上面加工と基準出し
製缶加工が終わった架台は、大型の門型マシニングセンターやフロアボーリング機に載せられ、装置の取付面や基準面を削り出します。大型架台の場合、加工範囲が数メートルに及ぶため、機械自体のストロークと精度の維持が重要です。ここでは、平面度、平行度、そして複数の取付穴間のピッチ精度が厳格に管理されます。
特に重要なのが「基準出し」の考え方です。大型構造物はクランプ(固定)の仕方ひとつで容易に数ミクロンたわみます。加工機の上で「ストレスフリー」な状態でレベリングを行い、加工後にクランプを外した際にも精度が維持されるように工夫しなければなりません。このノウハウこそが、大型装置架台の製作における技術的障壁であり、信頼性の証となります。
ポイント③:残留応力と「焼鈍(アニール)」
大型の製缶機械加工において、加工直後は精度が出ていても、数ヶ月後に歪みが出てしまう「経時変化」は致命的なトラブルです。これは溶接によって金属内部に溜まった「残留応力」が、時間の経過とともに解放されることで起こります。これを防ぐ最も有効な手段が「焼鈍(アニール処理)」です。
大型の熱処理炉に架台を入れ、一定の温度で加熱・保持した後に徐冷することで、内部応力を除去します。特に精密な検査装置や工作機械のベースとなる大型架台では、この焼鈍工程は必須と言えます。
長期的な精度安定性を求めるのであれば、製缶後・加工前のタイミングで応力除去を行うことが、最終的な品質保証に直結します。
焼鈍後は、ショットブラストを行い、下塗りを行います。表面のスケールや酸化被膜を除去し、塗装の密着性を高める工程です。
ただし、材質がステンレスの場合は焼鈍を入れると磁性変化が起こるとともに、表面に「焼け」が発生してしまいます。そのため、ステンレス製の架台では焼鈍を行わず、それに伴いショットブラストも行わないケースが多くなります。ステンレスに焼けが生じてしまった場合は、溶剤を使用してこれを除去します。
ポイント④:大型架台特有の「分割構造」と「現地精度」の再現
工場で製作できるサイズを超えた大型装置の場合、架台を分割して製作し、納品先で連結する「分割構造」が採用されます。この際、製缶機械加工の段階で「合致マーク」や「ノックピン加工」を施しておく必要があります。工場内で一度仮組みし、分割された複数のブロックをひとつの巨大な架台として一括加工することで、連結部の段差や芯ズレを極限まで排除します。
また、現地での据付時には、床面の剛性や水平度が工場の定盤上とは異なるため、アジャスターフットやライナープレートを用いた微調整が前提となります。設計段階から、現地でのレベル出しが容易に行える「調整代」を持たせた機械加工面を設計しておくことが、スムーズな装置立ち上げの秘訣です。
当社の大型装置架台の製作事例をご紹介!
➊FPD製造装置向け大型架台

こちらはFPD製造装置向けの大型架台です。
近年、液晶パネルの大型化に伴って製造装置自体も大型化しています。この架台は幅3200mmを超えるため、輸送面を考慮して幅方向を3分割にしております。
>>事例の詳細はこちら
➋半導体装置向け大型精密架台

こちらは半導体装置を支持する大型精密架台です。
本製品は2500×1500×1200mmという大物ですが、平面度0.01、平行度・直角度0.03という高精度を実現しております。
>>事例の詳細はこちら
大型の機械・装置架台の製作は当社にお任せください!
「大型精密製缶/切削 スピード加工センター」は、半導体・FPD装置や産業機械、工作機械向けの大型精密架台の製作を得意としております。
製缶だけでなく、製缶+機械加工、鋳物+機械加工等、材質については鉄・ステンレス・アルミ・鋳物というように幅広く対応可能です。工法転換やコストダウン・リードタイム短縮提案もさせていただきます。
機械・装置架台の製作は当社にお任せください!
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